シンガポール本島からセントーサ島への移動手段として大人気のセントーサ島ケーブルカー。
そんなセントーサ島ケーブルカーですが…
さかのぼること1983年。
キャビンが落ちて7人死亡という大事故がありました。
事故当時の写真は?
なぜ? 乗っても大丈夫?
といった疑問を解消していきます。
ケーブルカーの正式名称はシンガポール・ケーブルカー (Singapore Cable Car)。でも「セントーサ島ケーブルカー」のほうが認知度高いので記事中ではこちらを使います。
出所:asia one
セントーサ島ケーブルカー事故の概況 (1983年当時)
1983年6月29日18時ごろ。
パナマ船籍の石油採掘用のOil rig (石油リグ)を乗せた船がケーブルカーのロープウェイの下を通過した際、ケーブルに衝突!
これによって2つのキャビンが55メートル下の海に落下!!
乗客7人が死亡するという大事故となりました。
そのほか、4つのキャビンに13人が一時的に閉じ込められてしまう事態に。
ケーブルカーが1974年2月に開業して以来、初めての死者を出す事故となりました。
※これ以降は2019年現在にいたるまで事故は起きていない。
事故当時の写真
事故当時の写真が残っていたので紹介します。*出所はすべてasia one
▼石油リグを載せた船がケーブルカーに衝突した様子
▼救助活動に向かう人々。
▼海に落ちてしまった人々の救助活動の様子。海はヘドロなどで透明度が低く救助活動は難航。
▼落下したキャビン2つのうち、ひとつは海中から引き上げられた。この中には死亡した人も入っていたのでしょう…見るも無残な姿に…
▼ヘリコプターでキャビンに閉じ込められた人たちを救出する様子。風の強い日で作業は夜通し行われた。
▼キャビンに閉じ込められた13人は全員無事に救出された。
ケーブルカーに衝突した「石油リグ」とは?
石油リグ (oil rig)とは、海底から石油天然ガスを掘削するために必要な労働者や機械類を収容する構造物。海底につないで人工島にするか、あるいは浮かせた状態にする。*Wikipedia
石油リグを海上まで運ぶときには船が使われます。
▼石油掘削用の石油リグ (Oil rig)を乗せた船のイメージはこんな感じ。
画像:Pinterest *事故当時の写真ではありません。
この石油掘削用のOil rig、世界最大のものは高さ110mにもなるのだとか。事故当時でもケーブルカーのロープウェイにあたるくらいのOil rigはたくさんあったのでしょう。
ちなみに船の上に乗っているのがOil rig (石油リグ)。
▼Oil rigが備え付けられたイメージ写真画像:Pinterest *事故当時の写真ではありません。
なぜ観光とは無縁の石油リグが!?
ではなぜ、こんな観光とは無縁の船がリゾート島セントーサ付近を行ったり来たりしていたのか!?
それを理解するには、シンガポール事情について少し知っておかなければいけません。
観光客にはあまり知られていませんが、シンガポールはきらびやかな都市国家でありながら、港には世界中のタンカーや船が集まるハブでもあるのです。
▼シンガポール海峡の様子
さらにこの石油リグ、シンガポールの政府系企業ケッペル・コーポレーションが世界最大手のサプライヤー。
おなじく政府系のセムコープなどもシンガポールのジュロン地域に集中する「シップヤード」と呼ばれる湾岸区域で基地を持っています。
ということなので。
シンガポールでつくられた石油リグを輸出したり、自国の海洋で使うために運搬したりするためにセントーサ島付近の海路が使われていたとしてもまったく不思議ではありません。
※現在はセントーサ島とシンガポール島に橋も架かり、大きな船がロープウェイの下を通過することはできない。
事故の場所
事故の現場はケーブルカーの駅Jardine Step (現:ハーバーフロント乗り場)とSentosa (現在も変わらず)の間のロープウェイ。
シンガポール本島とセントーサ島を結ぶ間の路線で発生しました。
▼1986年のJardine Step Station (現:ハーバーフロント乗り場)の様子。
今もこの外観は変わらず。
その後、現在のハーバーフロント乗り場 (HarbourFront Station)に改名され、高層ビルが立ち、さらに近くには巨大なショッピングモール「VivoCity (ビボシティ)」が2006年にオープン。
シンガポール本島からセントーサ島への玄関口として、ますます発展しています。
▼2019年現在のハーバーフロント乗り場の外観。右がビボシティ。
この事故のためケーブルカーは事故発生からおおよそ1年間、休業することとなりました。
事故はなぜ起きた?今は大丈夫!?
事故はなぜ起きたのか!?
ケーブルカーの下を高い船が通れるような仕組みになっていたことが最大の要因と思われます。
当時は本島とセントーサ島をつなぐ橋 (セントーサ・ゲートウェイ Sentosa Gateway)がなく大きな船も通り放題。
でも今はそんなこともなく。
海を分断するかのごとく橋がつくられたので、船は基本的に通り抜けできません。
▼セントーサ・ゲートウェイは1992年に完成。その後は高い船はケーブルカーの下を通り抜けできなくなりました。出所:Mumbrella Asia
▼今はこんな感じ!!*Googleマップの航空写真より
ちなみにこのセントーサ・ゲートウェイ、道路だけでなく右隣にはモノレール (Sentosa Express)も走っています。
現在のセントーサ島ケーブルカーの様子
死亡事故は1983年のキャビン落下事故のみ。
そのほかにも大きな事故は起きていません。
また強風時には営業中断するなど、危険な環境では運転しないように安全対策バッチリ。
わたしはかれこれ3回以上は乗っていますがホントに素晴らしい景色が楽しめます。
▼こんな感じで次々とやってくるケーブルカーに乗り込み!
ケーブルカーは容赦なくグングン上昇していきます!まるで空中に浮かんでいるかのような気分に♪
▼頂上に到達!眼前には水族館や巨大プール (Adventure Cove Waterpark)、ハードロックホテルなども。そしてその奥に広がるシンガポール海峡のタンカービューも必見!
▼ケーブルカーの頂上から見渡すセントーサ島の景色。特に晴れの日はホントに美しい!!キャビンは透明部分が多くホントに素晴らしい景色となります♪
セントーサ島ケーブルカーの基本情報はこちら
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