シンガポールにおける「車のCOE」の仕組み

【基礎】OMV(Open Market Value)とは?

OMVは税金ではないのですが…重要なのではじめに解説します。

  カローラAltis
(東南アジアモデル)
新車販売価格 SGD 100,000 (約800万円)
内訳
 – 車体価格OMV (①) → 今ここの解説!
 – COE (税金②)
 – ARF (税金③) 
 – Excise duty 20% (税金④)
 – GST 7% (税金⑤)
 – その他いろいろ (⑥)

内訳
SGD 20,000 (約160万円)
SGD 40,000 (約320万円)
SGD 20,000 (約160万円)
SGD   4,000 (約  32万円)
SGD   1,680 (約  13万円)
SGD 14,320 (約115万円) 

OMVとはOpen Market Valueのこと。つまり車体の本体価格のことをさします。

決まり方はシンプルで「その車種の輸入価格の平均=Open Market Value」となります。

たとえば、

  • 例①トヨタ・カローラ100台を200万円/台でシンガポールに輸入したとしたら…
    → カローラのOMVは200万円
  • 例②ベンツE250を平均300万円/台でシンガポールに輸入したとしたら…
    → ベンツE250のOMVは300万円

こんな感じで決まります。

ちなみにOMVには車体価格+シンガポールまでの物流費その他の費用(物流保険)などをすべて含みます。

これをシンガポール政府がとりまとめ公表します。

シンガポールの車に国産はなく、すべて輸入車で成り立ちます。したがって政府の統計だけですべてわかってしまうのですね(密輸されていないことが前提ですが…)。

税金②ARF (the Additional Registration Fee)とは?

税金①COEはすでに解説したため省略し、税金②ARFから進めていきます。

  カローラAltis
(東南アジアモデル)
内訳
 – 車体価格OMV 
 – COE (税金) 
 – ARF (税金) → 今ここの解説!
 – Excise duty 20% (税金)
 – GST 7% (税金)
 – その他いろいろ

内訳
SGD 20,000 (約160万円)
SGD 40,000 (約320万円)
SGD 20,000 (約160万円)
SGD   4,000 (約  32万円)
SGD   1,680 (約  13万円)
SGD 14,320 (約115万円) 

ARFとは”the Additional Registration Fee”の略称。

直訳すると”追加登録費”ですが…

COEを自動車取得税とするなら、ARFは「自動車取得税その2」ですかね。

とにかく自動車を買うときにかかる税金の一種のこと。

累進課税であり以下のような税率が適用されます。

  • 車体価格OMVがS$ 20,000以下 = 税率100%
  • OMVがS$ 20,000 ~ S$ 30,000 = 税率140%
  • OMVがS$ 50,000 ~ = 税率180%

具体的には…

  • 例①OMVがS$20,000のカローラ:税率100%
    → ARFはS$20,000
  • 例②OMVがS$37,000のベンツCクラス:最初のS$20,000は税率100% + 次の17,000は税率140%
    → ARFはS$43,800

このような計算で税金が発生します。

ただしARFは車を手放すときにリファンドあり(2002年以降にCOE落札された車という制限あり)

最低でも50%がリファンドされます。

  • 新車から5年未満:ARF支払額の75%リファンド
  • 5-6年:〃70%
  • 6-7年:〃65%
  • 7-8年:〃60%
  • 8-9年:〃55%
  • 9-10年:〃50%

税金③Excise Dutyとは?

  カローラAltis
(東南アジアモデル)
内訳
 – 車体価格OMV 
 – COE (税金) 
 – ARF (税金)
 – Excise duty 20% (税金) → 今ここの解説!
 – GST 7% (税金)
 – その他いろいろ

内訳
SGD 20,000 (約160万円)
SGD 40,000 (約320万円)
SGD 20,000 (約160万円)
SGD   4,000 (約  32万円)
SGD   1,680 (約  13万円)
SGD 14,320 (約115万円) 

Excise Dutyとは物品税のこと。

シンガポールでは一律7%のGST(消費税みたいなもの)があります。

が、

Excise DutyはGSTとは別に徴収される税金となります。

具体的なExcise Dutyの金額は車体価格OMVにたいして20%になります。

つまりOMVがS$20,000のカローラだと税金はS$4,000になりますね。

シンガポールでは贅沢品や嗜好品にはGSTの他に税金が別途かけられます。

税金④GST (Goods and Services Tax)とは?

こんなにたくさんの税金を払った上、さらにGST (Goods and Services Tax)もかかります。

GSTはすべてのサービス・商品に対して一律に発生する税金のこと。

日本でいうところの消費税みたいなものですね。

シンガポールにおけるGSTの税率は7%で一律。

COEやらAFRがデカすぎて、もはやどうでもいいような金額に過ぎませんけど…

その他・税金じゃないけど必要経費

あとは自動車ディーラーの利益とか、IU (In-Vehicle Unitの略、日本でのETCみたいなもの)の装着代とかいろいろ。

車はあったら便利だけど無くても全然OK

シンガポールにおいて、車は一部のヒトだけが持てる贅沢品です。

日本みたいに誰でも買えるわけではありません。

なんせ大衆車ホンダのフィットですら600万円もするのですから。

じゃあ車がなければどうなるのか?

というとタクシー・公共交通機関だけで生活には何も困りません。

タクシーは安いですし電車もバスも格安です。

車はあったら便利だけど、無くても何も困らないという結論ですね。

 

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